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テクニカルサポート
オリゴ核酸の受託合成のテクニカルサポート
Tm値の計算方式について
製品添付の合成報告書にTm値を記載しておりますが、このTm値の計算方式を最近接塩基対パラメータ「NearestNeighbor法」を取り入れて変更しました 。
今回採用した具体的な計算方法は下記の通りです。
日本バイオサービス Tm値計算方式
計算式は以下の通りです
1MNaCl中における二重鎖の熱力学安定性(⊿G°37)は最近接塩基対パラメータ(別表)を用いて(1)式で計算される。
⊿G°37,1MNaCl (kcal・mol-1)= Σ⊿G゜37,NN(1)
熱力学安定性⊿G°37 と、溶解温度Tmの関係は経験式として非自己相補鎖の場合(2)式により求められる。
Tm-1(K)=-3.27×10-3・⊿G゜37-1+2.77×10-3(2)
100mMNaClの塩濃度における溶解温度Tmは(3)式により補正される
Tm,0.1MNaCl(K)=0.891Tm,1MNaCl+25.0(3)
(別表) 最近接塩基対パラメータ
Thermodynamic parameters for duplex formations in 1 M NaCl-phosphate buffer
Sequence |
⊿G°37,NN/kcal mol-1 |
---|---|
AA/TT |
-1.2 |
AC/TG |
-1.5 |
AG/TC |
-1.5 |
AT/TA |
-0.9 |
CA/GT |
-1.7 |
CC/GG |
-2.1 |
CG/GC |
-2.8 |
GA/CT |
-1.5 |
GC/CG |
-2.3 |
TA/AT |
-0.9 |
Initiation |
3.4 |
尚、長鎖の場合や、自己相補鎖を一部含む配列の場合は、算出されたTm値に相当の誤差が生じることがあります。