- トップページ >
- オリゴ核酸の受託合成のテクニカルサポート
テクニカルサポート
オリゴ核酸の受託合成のテクニカルサポート
オリゴの取り扱い (オリゴ溶解、保存方法/オリゴの脱塩、濃縮、バッファーの交換)
製品の溶解、保存方法
オリゴヌクレオチドの取り扱い方法を以下に示します。
製品が到着したら…
① 配列の確認
製品が到着したら、まず合成報告書の塩基配列を確認してください。
万が一 合成報告書の配列がご注文内容と異なるときはご連絡ください。
②製品の溶解方法
製品は通常精製溶媒をエバポレータで飛ばして乾固させてお届けしています。
その乾燥過程で最終製品がペレット状、フレーク状等多様な形態となることがあります。溶解してお使いください。
オリゴは基本的には水溶性が高いのですが、配列組成によってはボルテックス等による手順が必要なときがあります。
標識のない通常のDNAは、滅菌した水またはTEバッファーに溶解してください。
合成報告書に明記した溶媒量で、エッペンチューブ内のDNAを溶解すると、濃度100pmole/μlのDNA溶液を調製することができます。
蛍光標識のあるDNAは、酸性下で分解する恐れがあり、滅菌したTEバッファーに溶解することをお勧めします。
RNAの溶解は、RNAase-freeの水を使用してください。通常の実験室内では、RNAase混入の危険が避けられません。
RNAの分解を極力抑えるために、水溶液の状態では、サンプルを氷中で取り扱ってください。
③製品の保存方法
乾燥状態・未使用のオリゴの場合、冷蔵もしくは冷凍にて保管をしてください。
溶解後のオリゴ溶液は、すぐにご使用にならない場合は、-20℃で保存してください。
溶液の凍結、融解を繰り返すことは、極力避けてください。
分けて使用する場合は、小分けにして、-20℃(もしくは-70℃)にて保存してください。
通常 数ヶ月はご使用可能です。
さらに長期間保存する場合は、溶液を小分けにして、乾燥してから-70℃に保存してください。
※蛍光標識オリゴは、アルミホイルなどでチューブを包み遮光して保存してください。
※HRP修飾のオリゴについては、冷凍ではなく冷蔵で保管し、早めにご使用ください。
※沈殿がある場合
DNAを十分な量の溶媒で溶解しても、まれに沈殿がみえる場合があります。
これは、合成、精製の過程で混入した成分(カラム精製品では加圧送液しておりますが、カートリッジカラムのフィルターや精製担体の一部がはがれることがあります)と思われます。
このようなものは最終製品検査で排除していますが、まれに残留することがあります。
この沈殿物は、酵素反応には影響しません。遠心し上清を回収して、使用していただけるものと考えます。
念のため、260nmの吸光測定でDNA量を再確認していただくようお願いします。
もし不都合がある場合は、お知らせください。
オリゴの脱塩、濃縮、バッファーの交換
オリゴの脱塩、濃縮、バッファー交換には、各種の方法があり、それぞれに回収率や処理条件で得失があります。
当社では状況に応じて、以下の方法を組み合わせて活用しております。
特に特殊修飾及び標識では、この脱塩処理の適否が結果に大きく影響があることが当社の経験で分かっています。
もしお困りのことがあれば、可能な限り対応させていただきますのでご相談ください。
逆相カートリッジカラム精製
当社のカラム精製品で使う逆相カートリッジは、目的オリゴのトリチル(DMTr)基の疎水性を利用して吸着、同時に脱塩も行っております。
トリチル基がないオリゴでも、この逆相カラムを利用できる場合があります。
乾燥濃縮
バキュームコンセントレーター(遠心真空乾燥機)を用いて、溶液を蒸発させます。
特殊修飾では、加熱を嫌うものがあるので、加熱処理は避ける必要があります。
気化しやすい溶媒の場合には有効です。
溶媒の種類によっては、気化しにくい溶媒成分の一部が残る場合があります。
凍結乾燥機を用いることもできます。
エタノール沈殿
塩化ナトリウム・酢酸ナトリウム・酢酸アンモニウム等の塩とエタノールを用いて、オリゴを沈殿させます。
当社では、塩のみでは沈殿しづらい配列の場合、必要に応じて、共沈剤 Quick-Precip(Edge BioSystems社)を使用しております。
非常に短いオリゴ(8mer以下)では、沈殿しないので、この方法は使えません。
2'OMe-RNAのみの配列や、 polyA や、polyC のような場合、沈殿しづらく、この方法は使えない場合もあります。
クロロフォルム処理
オリゴ水溶液とクロロフォルムとを混合、撹拌して、オリゴは水層に分離することを利用して数回繰り返して回収します。
特にタンパク質等の除去には有効となります。
透析処理
透析膜を利用して、分子量分画して、一定以上の分子量を持つもののみを、分子量の小さな塩等から分離精製します。
透析膜の分画分子量にいろいろな大きさがあるので、目的に応じて利用します。
ゲルろ過
オリゴの脱塩、バッファー交換に広く利用されています。大きい分子が早く通り抜け、小さい分子は細孔に入り込み遅く溶出されるため、塩類がトラップされ、オリゴが先に溶出分離します。Sephadex G-25 、既製のNAP10やNAP5カラム、スピンカラム等もあります。